ハードな少年達の群像劇『BANANA FISH』
『BANANA FISH』(バナナフィッシュ)は吉田秋生による漫画作品。『別冊少女コミック』1985年5月号〜1994年4月号にて連載された(1994年6月号、8・9月号、1995年1月号にて番外編掲載)。コミックス全19巻、文庫版全11巻が刊行されている。日本の漫画史上に残る名作の一つとされる。 (転載:Wikipedia) 恋愛にも似た友情のストーリー。 漫画BANAN FISHは、連載開始から番外編まで含めて約10年続いた日本漫画史屈指の名作。 少女マンガとしては非常に珍しい、マフィアや麻薬と言ったアンダーグラウンドな世界を描き、ガンアクションやレイプなどと言ったハードな内容で展開する重厚なストーリーが特徴で、冒頭からベトナム戦争時のアメリカ兵同士が粗悪な麻薬の幻覚によって撃ち殺し合う、と言う所から始まる辺り、とても少女マンガとは思えません。 また、連載当時の吉田秋生氏の絵柄は、AKIRAの大友克洋氏の絵にどことなく似ていて少年漫画の様な泥臭さがあったのですが、1巻から最終19巻にもなるともう同一人物と思えない程に絵柄が変化したのも特徴的です。(BANANA FISHの表紙は全巻主人公のアッシュが表紙を飾っています) マンガの面白さは絵柄だけではありませんが、ことさら取り上げてみた理由としては”登場人物の設定が破綻している”程に絵柄に似つかわしくない主人公のアッシュの美形設定でした。男ですら惚れるほどの美少年と言う設定にしては、正直男らし過ぎる絵柄に納得・共感が得られなかったのです…(笑) さて、内容に関してですが『BANANA FISHと言う麻薬の謎を追う主人公アッシュを中心とした、スラム街の不良少年の集団と黒幕マフィアとの抗争』を描いていますが、その中で奥田英二と言う日本人少年とアッシュとの恋愛にも似た友情のストーリーが展開されていて、ハードな展開の連続の中では唯一の安堵をアッシュに与える場面であり、今で言う腐女子が歓喜するようなシーンもそこそこにちりばめられていて、やはり少女マンガだなぁと思わせる部分は多少あります。ただ、それもアッシュの心境の変化やアッシュを取り巻く環境の変化にも影響を及ぼしているので、少女マンガのお約束的要素として取り入れられているだけではありません。 主人公アッシュに対してのヒロイン的ポストにある英二が女性だった場合、一般的なヒーローとしてはヒロインを守ると言う行動が当たり前に期待され、またヒロインとしても受動的に守られててばかりではダメだとお約束な展開になる事でしょう。それでは少女マンガらしい展開を好む読者の期待を裏切らないハッピーエンドになってしまう事が十中八九予想されてしまいます。 しかし、BANANA FISHの場合は、銃や拳で戦う事に慣れていない非戦闘員であるヒロイン・英二が男であるが為、当たり前に期待される受動的な守り守られの関係は約束されませんし、今後英二が戦えるようになる可能性すらあります。その上で非力な英二が身を挺してまでアッシュを守ろうとするシーン等に、愛や友情の力強さを男女の関係よりも深く表現しているのではないかと個人的に思います。 また、男女関係での結ばれない結末を辿ると、作者が比較的”悪”として批判される場合がありますが、ヒーローヒロインが男性同士である以上、BL的展開を除き前述の男女関係での期待される結末以外の可能性は広がると思います。実際BANANA FISHのラストもハッピーエンドともバッドエンドとも取れる結末が待っており、ストーリーもしっかりと完結します。 2010年現在から言えば15年前の作品なので、ビジュアルやストーリーに古臭さも多少ありますが、BANANA FISHの良さは経年劣化するものではありませんので、ぜひ当ブログを見たこの機会に読んでみてはいかがでしょうか。
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